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捨て猫 [かな]

珍しく よそゆき顔

 

かなは 捨てられていました。1950661

古典的な 捨て猫。

道ばたに 段ボール箱 

箱の底には バスタオルが敷いてあって

ねこえさの缶詰が もう 空になってて

通りかかった時には、もう かな しかいなかったけど、

何匹一緒に捨てられたのか…。

かなは、その箱の近くに 途方に暮れたように一匹 ぼーっとしていて

足を止めたら、やがて気がついて よちよち と近寄ってきて

しゃがんだら、当然のように、膝に乗ろうとして 一所懸命 爪をたててよじ登ってきて

ああ、こうして膝の上で過ごしてきた仔猫なんだ。1898179

なのにどうして 捨てたりするんだろう。

どんな事情があったんだろう。

いや、どんな事情があったとしたって、

こんなに信じ切って

迷いなく人間のそばを目指すこんな子を

どうして…

 

そのとき うちにはまだ

ふく と じむ犬 と あん犬 しかいなかったけど

実は ふく は とても体が弱くて、二匹目の猫を飼うなんて、考えたこともなかった。

だから 一度は 段ボール箱の中に かな を戻して、

「危ないから外には出ないで、ここで根気よく待ってなさい。いい人に拾われるんだよ」

と 声をかけ、その場を立ち去りかけた。

だけど 振り返ったら、かな は よろよろと段ボール箱を脱出して、一所懸命走ってくる。

追いつこうとして、道は曲がってるのに お構いなしに直進してくるもんだから、

田舎道の草に足を取られて、転がって、田圃の用水路に落ちそうになった。

もうだめです。わかりました。お連れします。1950663

引き返して、拾い上げた。

とりあえず、連れて帰るけど、もらい手探そう。

獣医さんの待合室に、張り紙させてもらおう。

そう 自分に言い聞かせながら、うちに連れて帰った。

 

ノミの駆除をして、ちょっとくしゃみをしていたので風邪の治療をして、

ワクチン接種して、ノラの子じゃないから大丈夫だろうけど、念のため、おなかの虫も駆虫して、

猫を拾ったらワンセットの面倒をみている間、

絶対にふくを近づけないように、玄関においたケージの中だけでかなを飼っていたのだけど、

当然のことだが、ふくが興味津々でかなに近づきたがる。

もう大丈夫、感染するような症状はもうないですよ、と、獣医さんも言うので、

ふくの体調のいいときに、試しにお見合いさせてみることにした。

相性がよくないようなら すっぱりあきらめて、本格的にもらい手探しを始めなきゃ。

そう思いながらの どきどきの初対面、1950665

かな は まっしぐらに ふく に 向かって行って…

ふく は 真っ向からくる かな を 待ち受けて…

 甘えた。

 なめまわした。

似ても似つかない 二匹だったが、

即席の親子ができたみたいな瞬間だった。

以来、とっても仲良しの二匹。

器用で俊敏な ふく に、どうしても ついていけない どんくさい かな、

それでも どこまでも ふく について行こうとして、

何度も危ない目に遭う かな には 本当に いつも はらはらしました。

 1950667

 

 

 

 

 

 

 

 

 当時、二匹の間でブームだった「棒渡り」

 

そんな二匹をほほえましく見守っていて、ふと気づいたら、

あれ? 最近 ふく は、病院に行ってないね!

お熱出さないね! おなか壊さないね!! トイレで貧血起こさないね!!!

(以前、排便中に失神したことがあります)

いきなり骨折しないね!!!!(家の中で、なぜか突然骨折していたことがあります)

ちょっと太ってきたね!!\^^/

確かにふくは、かなが来てから見違えるほど元気になりました。

正直言って、3才の誕生日を迎えられるかどうか、心配していたほどだったのに、

ふくが13才まで生きられたのも、あの日、かな に出会ったおかげだと、

ワタシは今でも信じています。

 

1950780

 当時を懐かしんで、捨て猫ごっこでもしているのか

 ご満悦の「かな」と

 迷惑そうな「こま」

 


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